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熊本地方裁判所 昭和32年(ワ)116号 判決 1957年3月28日

原告

右代表者

法務大臣 中村梅吉

右指定代理人

熊本地方法務局

法務事務官

堤賢一

熊本国税局

大蔵事務官

田中貢

熊本市山崎町六十二番地

被告

熊本大衆自動車株式会社

右代表者

代表取締役 原田要平

右当事者間の昭和三十二年(ワ)第一一六号修理代金請求事件について当裁判所は次の通り判決する。

主文

被告は原告に対し金二十三万四千三百四円を支払え。

訴訟費用は被告の負担とする。

事実

原告代理人は主文同旨の判決を求めその請求の原因として熊本市迎町二百二十七番地訴外有限会社原田ボデー工場は昭和三十一年九月十九日現在において原告に対し昭和二十七年度より昭和三十一年度までの法人税、源泉徴収所得税合計金二十三万三千九百二十四円をその都度督促を受けながら指定の期限までに納付しなかつた。然るに他面同訴外会社は被告に対し自動車修理代金五十七万三千四百九十円の債権を有していたので熊本税務署では昭和三十一年九月十九日前記滞納税金徴収のため国税徴収法第十条及び第二十三条の一に基き同訴外会社が被告に対して有する右債権を差押えその旨被告に通知した、そこで原告は同訴外会社の被告に対する右債権につき前記滞納税金二十三万三千九百二十四円及び滞納処分費三百八十円合計金二十三万四千三百四円を限度として同訴外会社に代位することになつたが被告はその後原告の再三の催告にも拘らずこれが支払を為さず又訴外会社も右滞納税金を納付しないので本訴請求に及んだと陳述した。

被告は原告の請求を棄却する訴訟費用は原告の負担とするとの判決を求め答弁として原告の主張事実は全部之を認めるが被告は目下資金難で一時に支払う能力がないので本訴請求に応じ難いと陳述した。

理由

原告の主張事実は全部被告の自認するところで該主張事実に徴すれば原告の請求は理由があり被告は目下資金難であるといつて抗争するけれどもそれでは原告の請求を拒否すべき法律上正当な理由とならないから本訴原告の請求を全部相当として認容し訴訟費用の負担につき民事訴訟第八十九条を適用し主文の通り判決する。

(裁判官 堀部健二)

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